この記事は Unity アセット真夏のアドベントカレンダー 2021 Summer! – Unity公式 Asset Portal の4日目の記事です。
▲前の日は さとや さんの「単独でも活用できる!Corgi Engine/TopDown Engineに同梱されているMMFeedbacksの紹介」でした。
▼次の日は kido さんの「History Inspector の紹介」です。
この記事では、ボクセルのモデルを簡単に読み込んだり、ボーン設定ができる定番アセットVoxel Importer | Modeling | Unity Asset Storeを利用して、透過や自己発光するボクセルモデルを手軽に作成する方法をご紹介します!!
モデリングにはMagicaVoxelを利用します。
目次
記事の環境
以下の環境で作成しました。
- Windows10
- Unity2020.3.9f1
- Voxel Importer 1.2.2
- MagicaVoxel 0.99.6.2
MagicaVoxelでモデルを作成する
光る砂時計を作ってみます。今回のミソは素材ごとに違うマテリアルが割り当てることです。そのためにMagicaVoxelのRenderモードで色に素材の設定をします。また、今回のような多層構造を作るのに便利なレイヤーとオブジェクトの使い方も簡単にご紹介します。
MagicaVoxelの使い方は以下の書籍がとても参考になります。これまで使ってなかったあれこれの機能が使えるようになりました^^
モデリング
素材は以下の3種類にします。
- 上下の木の枠のボクセル
- 透過するガラスのボクセル
- 光らせる砂のボクセル
上下の枠
必要に応じてサイズを設定します。今回は15 15 15
で作成しました。
index:96
のパレットを選びます- EditパネルのSHAPE欄からCyliをクリックして円柱を作ります
- Eraseモードにします
- Faceモードにします
- 高さが
2
になるまで削除します
EditパネルのMIRROR欄のZ
をクリックして、作成したのと同じ形を上にも作ります。
BrushパネルのMirrorモードのX
, Y
, Z
全てONにして、角取りをしたら枠は出来上がり。
砂
砂とガラスの部分は二重構造になっています。先に内側の砂で形を作ってから、ガラスのボクセルで砂を覆えば良さそうです。
砂のパレットはindex:184
の緑でこんな形にしました。
ガラス
砂を覆うようにindex:73
のパレットでガラスのボクセルを置きます。
マテリアルを設定
マテリアルを分けるために色のMatter設定をします。まずは以下の通りガラスの設定をします。
- Renderモードに切り替えます
- ガラスのパレットである
index:73
を選択します - MatterパネルのMATERIAL欄からGlassを選択します
- 適当にパラメーターを設定します
砂の設定をします。
- 砂のパレットである
index:184
を選択します - MatterパネルのMATERIAL欄からEmitを選択します
- 適当にパラメーターを設定します
以上で素材の設定が完了です。枠、砂、ガラスに異なる設定をしたので、別のマテリアルが割り当てられます。
オブジェクトとレイヤー
雰囲気は良い感じになりましたが、砂が上から下まで詰まっていて砂時計に見えません。Unityに持って行く前にちょっと砂を減らします。
砂の調整はガラスや枠のボクセルをずらせばできますが面倒です。そこで砂を別レイヤーにします。この辺の操作がMagicaVoxelは独特で、理解するのに苦戦したので本筋とは違いますが備忘録として。
- Modelモードに切り替えます
- 右上の上三角形のアイコンをクリックしてワールドモードに切り替えます
何もない場所をクリックすると、砂時計の大きさの立方体のワイヤーの色がレイヤーの色になります。砂時計がレイヤー0にあるオブジェクトだということを表しています。
起動時にいじっているのはレイヤー0にある1つのオブジェクトということになります。MagicaVoxelでは1つのファイルにこのようなオブジェクトを複数持たせることができます。オブジェクトは新しく追加したり、コピーして複製したり、丸ごと移動したり、他のvoxファイルからImportして読み込むことができます。
オブジェクトの複製
現在のレイヤー0のオブジェクトを、レイヤー1に複製します。
- 砂時計をクリックして選択します
- EditパネルのSELECT欄からCopyをクリックします
- Pasteをクリックします
見た目には分かりませんが、これで砂時計は2つに増えています。赤の矢印をドラッグして移動させると、2つの砂時計が確認できます
レイヤーの設定
編集しやすくするためにレイヤーを分けます。BrushパネルのLAYER欄から、赤い丸の右の1と書いてある欄のさらに右の小さな四角の部分をクリックします。< が1の行に移動します。
これで選択していたオブジェクトがレイヤー1に移動しました。よくあるツールだと「レイヤーを指定してオブジェクトを作成」という感じですが、MagicaVoxelでは「オブジェクトを作成してから別のレイヤーへ移動」という感じです。
LAYERの0の左の丸をクリックすると片方の砂時計が消えます。1の丸をクリックすると、もう一方の砂時計が消えます。丸をクリックし直せば表示します。これで、好きな方だけ砂時計を表示することができます。
レイヤー0から砂を消す
レイヤー0を表示して、レイヤー0の砂時計をクリックして選択します。
- 右上の下三角アイコンをクリックしてモデルモードにします。
- Region Selectツールで枠の部分をクリックして選択します
- Transformツールで移動させて砂時計のボクセルを見えるようにします
- Region Selectツールで砂時計のボクセルの一つをクリックして選択したら、右のEditパネルのSELECT欄からCutで削除します
- 枠を元の位置に戻します
レイヤー1を砂だけにする
同じような操作をして、レイヤー1のオブジェクトを砂だけにします。
- 右上の三角をクリックしてワールドモードに切り替えます
- 赤い枠のレイヤー1の砂時計をクリックして選択します
- 右上の三角をクリックしてモデルモードに切り替えます
- Region Selectツールを選択します
- 枠のボクセルの一つをクリックして選択します
- Cutで削除します
同様にしてガラスを削除します。
あとは、砂を削除して好みの状態にします。削除する前の砂のオブジェクトをコピーして、別のレイヤーに取っておくと砂のさまざまな状態を作りやすくなります。
右上の三角をクリックしてワールドモードに切り替えたら、レイヤー1の場所を移動させて、レイヤー0の砂時計に重ねます。
以上で完了です。Renderモードでレンダリングすると、砂が光っている砂時計がレンダリングされます。
任意の場所にvoxファイルとして保存して、MagicaVoxelでの作業は完了です。
Unityにボクセルを読み込む
Voxel Importerでvoxを読み込む
ここからはあっという間です。UnityのプロジェクトにVoxel Importerをインストールします。
ついでにPostProcessing Stack V2も設定しておくといい感じで光るので良いです。PostProcessing Stackについてはこちらなどを。
Voxel Importerをインストールすれば、ボクセルの読み込みはvoxファイルをProjectウィンドウにドラッグ&ドロップするだけです。
読み込んだボクセルをシーンにドラッグ&ドロップすれば表示できます。
パラメーターの調整
MagicaVoxelで設定したMatterの設定の多くはUnityへは反映されないのでUnity側で調整が必要です。また、他にもいくつか設定しておきたい項目があるので調整します。
- Projectウィンドウで読み込んだボクセルを選択します
- デフォルトでは1ボクセルが1mです。砂時計は15ボクセルなので15mと巨大なので、Scaleを0.066にしておおよそ1mにします
- Applyをクリックして変更を適用します
- Extract Materials...ボタンをクリックして、Materialsなどのフォルダーを指定して、マテリアルを保存します
ライトをベイクする場合は、さらに以下を設定すると問題が起きにくくなります。
- Advancedに切り替えます
- Share same faceのチェックを外して、面の共有をやめます
- Generate Lightmap UVにチェックを入れます
- ベイク時にoverlapの警告が表示される場合は、Pack Marginを増やすと軽減できる場合があります
- 全て設定したらApplyボタンを押します
マテリアルの設定
Extractしたマテリアルを編集して見た目を調整します。保存したマテリアル名ではどのマテリアルか不明ですが、ガラス用のマテリアルはシェーダーがTransparentになっているので分かりやすいです。
- Albedoのアルファを下げて透過させます
- Smoothnessを大きくしてピカピカにします
残り2つのマテリアルのAlbedoを変更してみて、砂のマテリアルを探します。見つけたら、Emissionを設定して光らせます。
以上で完成です!!
Voxel Importerのメリット
MagicaVoxelはobj形式でのエクスポートができるので、Voxel Importerがなくても同じようなことはできます。ただし、objだと以下のような感じに読み込まれます。
Voxel Importerなら1つのメッシュで済みます。他にも、ボクセルにウェイトを設定してアニメさせることもできますし、ボクセルの最適化などもできますので、持っていると何かと有難いアセットだと思います。
まとめ
MagicaVoxelで作成したモデルをVoxel Importerで読み込んで、透過や自己発光を設定しました。
MagicaVoxelで色のMATERIALを変えるとUnityに別マテリアルとして読み込める性質を使って、1つのボクセルモデルに複数のマテリアルを設定しました。静止オブジェクトならドラッグ&ドロップだけでボクセルを読み込むことができ、マテリアルの取り出しもボタンひとつでできます。あとはマテリアルの設定をいじるだけ。また、MagicaVoxelのレイヤーを使うと多重構造などを作りやすくなります。
こんなことをしながら、3年目に突入したVoxelorerBirdの制作を続けています。
大半がMagicaVoxelの記事のような気がしますが、以上、Unity アセット真夏のアドベントカレンダー 2021 Summer! – Unity公式 Asset Portal の4日目の記事でした。
▲前の日は さとや さんの「単独でも活用できる!Corgi Engine/TopDown Engineに同梱されているMMFeedbacksの紹介」でした。
▼次の日は kido さんの「History Inspector の紹介」です。
では良い制作の夏を!
参考URL
- Voxel Importer | Modeling | Unity Asset Store
- MagicaVoxel
- "Voxel Importer" version 1.0.6 -MagicaVoxel 0.98 support- - YouTube